合同会社GK代表の川口孝博と申します。

私は大学で法律を学んだ後、物販業や広告業界で営業職を経験し、その後、介護業界へ転職しました。生活に必ずしも必要ではない商品や、実態のない価値を誇張して売りつける仕事に嫌気が差し、「本当に社会に必要とされる仕事がしたい」と思ったことがきっかけでした。

しかし、実際に介護の仕事を始め、施設の内情に触れるうちに、理想と現実のギャップに直面することになります。具体的には、「経済的に余裕のある利用者の優先確保」「多くの介護サービス報酬が得られる利用者の優遇」「必要以上のサービスの提供」といった実態があり、かつて自分が嫌悪した“売りつける営業”と何ら変わらない現状に、深い失望を覚えました。

その後、在宅介護を中心とした仕事へとシフトしましたが、今度は別の現実に直面します。施設に入居できない高齢者たちの最期の瞬間に数多く立ち会うことになったのです。その多くが、「経済的理由で施設に入れない」「入れる特養や老健は申し込んでも年単位の待ち時間がある」「家族と疎遠で、身元保証人が立てられず、申し込みすらできない」といった理由から、在宅での生活を強いられ、過酷な最期を迎えていました。

「生活保護を申請すればいい」「成年後見制度を利用すればいい」と言うのは簡単ですが、高齢者ご本人だけでこれらの手続きを進めるのは現実的ではありません。一部の心ある市役所職員や包括支援センターの職員、ケアマネージャーの方々が、業務外の時間を割いて支援してくださることもありますが、それはあくまで“善意”であり、制度として保障されたものではありません。

また、生活保護を受給しても、軽費老人ホームは数が少なく入居基準も厳しい。有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅（サ高住）は、生活保護費では賄えず、入居できない方が多く存在します。結果として、多くの方が在宅での厳しい生活を余儀なくされているのが現状です。

こうした現実を目の当たりにし、少しでも過酷な最期を迎える方が減ることを願って、私は合同会社GKを立ち上げました。

今後も社員と協力し、一人でも多くの方に安心して生活していただけるよう精進してまいります。